total eclipse

 皆既日食すごかったわね! 生で見るのはやっぱり最高! って大嘘。見てません。雨の東京にずっといたからね。

 その代わりといってはなんですが、今日のテーマソングはずっとクラウス・ノミ(Klaus Nomi)の『Total Eclipse』だったわ。たぶんライブバージョンがyoutubeで見られるんじゃないかしら。

 アタシにとってノミは、保守的な人たちが判で押したように苦虫を噛み潰すような顔をするだろう、あるいは、あっけにとられた後であっけにとられた自分を悟られたくなくてとりあえず怒って見せるような、そんな挑発的なアバンギャルド(まあ、本来アバンギャルドは挑発的なものであるのですが)が堰を切ったようにあふれ出た80年代のひとつの象徴なの。言うまでもなく、そうした「象徴」に川久保玲も含まれているのよね。

 以前にも書いたけれど、先駆者は常に捨て石。ノミも、エイズに対する無理解と偏見が嵐のように巻き起こる風潮の中で「世界で最初にエイズで死んだ有名人」というレッテルを貼られたしまった不幸も重なったけれど、それでも、オペラとロックを融合させたり、「地球以外の生命体」ティックなギミックを駆使したり……というあたりはもっと評価されてもいいような気がするわ。

 ちなみに、先駆者のままずっと走り続けて尊敬を勝ち得ている川久保玲のことは、どんなに評価しても足りることはないとすらアタシは思っております。そうそう、この間の大掃除でね、80年代のコムデギャルソンのお洋服がいろいろ出てきたのよ……。その喜びと悲しみは、今度書く日記でね……。