原稿を書いています/東京ウォーカーでお仕事スタート

がんの手術で肝臓を3割ほど切除し、そこから1年とちょっと経ちました。がんの治療自体は手術前に「こうなったらいいな」と希望していたレベルよりも、はるかにいい方向で推移してくれています。ただ、肝臓が3割減になった分、他に負担がかかったのでしょうか、肝臓以外の消化器系統にちょっと問題が発生。4月はかなりそのことに時間を費やすことになりました。

まあ、それほど深刻な段階ではないそうですし、何よりがんの転移ではないそうなので、そこは本当にひと安心。日常の生活をもう一度見直しつつ、焦らずポジティブに養生を続けていきたいと思っています。「遺言状を書くか否か」で悩んでいた頃を思えば、何がどうなろうとポジティブにしか転びようがないのですから。精神的にとても落ち着いて体と向き合うことができている。これは私にとって本当に大事なことだと思っています。

集英社新書のサイトで連載させていただいている、フィギュアスケートのエッセイ、世界選手権を振り返る回を、近々読者の方にお読みいただけるよう、私なりに進めています。

スケーターたちの意志、重ねてきた鍛錬を何よりもリスペクトしている私の「見方」が、ちゃんと伝わるものを書きたい。それを一人でも多くの方々と分かち合いたい。そのことを気持ちの中心に置きながら、パソコンと向き合っています。もう少しお待ちいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

もうひとつ、5月20日発売の東京ウォーカー6月号から、新連載を始めさせていただくことになりました。

「80~90年代、当時をリアルタイムで知っている人なら誰もが触れてきた、超メジャーなカルチャーを、高山なりの『新しい視点』で味わい直す」

という企画です。「笑い」の要素を思いっきり増やしていると自分では思っています。

どんなものを書くにせよ、私が意識しているのは「私だけの視点」です。

「私の視点が唯一無二の正解だ」と言うつもりはまったくありません。むしろ正反対の立場です。世の中にはさまざまな視点、さまざまな正解があり、みなさんひとりひとりにも、それぞれの視点、それぞれの正解があります。

みなさんの視点や正解を「A」、私の視点や正解を「B」だとすると、わたしがやりたいのは、「A」を「B」にすることではありません。

みなさんひとりひとりの視点、正解に、私の視点や正解が触れ合ったとき、そこに化学反応が生まれて、みなさんの中に、さらにオリジナルな視点や正解が増えるかもしれない。オリジナルな視点や正解が増えることは、みなさんが見たり聞いたりするものすべての味わいを、さらに豊かにしてくれるかもしれない…。

「A」が「B」と触れ合ったとき、「A+」が生まれ、みなさんがもともと持っている「A」に「A+」が増えること。私がものを書くうえで理想としているのは、この部分です。

それが少しでもできていると嬉しいのですが…。よかったらご一読ください。

 

さ、ではまた執筆に向き合います!