フィギュアマニア歴28年・2

 2006年の11月、あたくしは、こんな日記をmixiにアップし、お友達と熱く語らったことがありました。

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 フィギュアスケートのシーズンが始まりました。あたくし、遡ること26年、レイクプラシッド五輪でのデニス・ビールマンの元祖ビールマンスピンを鮮明に記憶しているほどのフィギュアマニアでございます。この間、youtubeで当時の映像をチェックしたのですが、音楽まで覚えていることに我ながら驚きました。

 ここ数日、かなりバタバタした生活が続き、テレビとネットだけが外界とあたくしをつないでくれる手段。しかし、ネットで探した今回のスケートアメリカは、安藤美姫の演技、特にショートプログラムストレートラインステップに大感激し、同じく安藤の演技に瞠目したマツコ・デラックスと長らく話し込んでしまったほどです。今シーズンより安藤のコーチ及び振り付けを担当しているニコライ・モロゾフは、荒川静香トリノ五輪のフリー『トゥーランドット』を振り付けした人物。カナダ人の嫁がいるはずのモロゾフですが、あの振り付けのセンスはオカマとしか思えません……。

 さて、カタリナ・ヴィットの『カルメン』、オクサナ・バイウルの『黒鳥』、ミシェル・クワンの『サロメ』、そして荒川静香の『トゥーランドット』など、選曲と演技がピタリとハマったとき、女子シングルはこのうえもない輝きを放つことになります。安藤美姫の今期のショートプログラム『シェヘラザード』も、『伝説の選曲』に加わることができるかどうか、楽しみでもあります。

 が、「『伝説の選曲』をモノにすることができるのは、世界の一流選手に限られる」と思っていたあたくしの甘っちょろい考えを根底から覆す、素晴らしいプログラムに出会ってしまいました。あたくし、先に挙げたクワンの『サロメ』など軽く吹き飛んでしまうほどの衝撃を覚えてしまい、「これは是非、フィギュアスケートに興味のない方にもご覧いただかねば」と思い、ここにご紹介する次第でございます。

http://web.icenetwork.com/media/player/mp_tpl.jspw=/2006/open/nw_reg/jrld/nwp_jr_ladies_free_350.wmv&type=v_free&context=NPR2006_S03&_mp=1
(注・現在このリンクは無効です)

 これはアメリカ国内における、ジュニア選手の地区予選会の模様です。この動画の32分30秒あたりから始まる、最後の選手の演技に集中をお願いいたします。なんという選曲の妙! あたくし、こんなに素晴らしい曲でこんなに笑ってしまったのは初めてです!

 それにしても、この曲をバイオリンメインでアレンジし、アップテンポにすると『チャルダッシュ』とか『ハンガリー狂詩曲』のような、スラブの香りが濃厚に漂うものになるとは……。89歳になっても、世の中まだまだあたくしの知らないことだらけです……。

 差し出がましいことを申して大変恐縮ですが、書き込みをしていただく際には、ご覧になっていらっしゃらない方々のため、何とぞ曲名はお書きにならないよう御配慮をお願いいたします……。

(以下・やりとり)


●Aさん
すばらしい!!
やっぱりコレは、アレですかね。
義経がモンゴルに渡ってジンギスカンになったとか
そういうレジェンド?

●アタシ
ええ、浮世絵に代表される江戸文化が海を渡り、
ヨーロッパでアール・ヌーヴォーになった。
それとまったく同じレジェンドであると
あたくしは理解しております。

ああ、何度聞いても、この哀愁のバイオリンに癒されます。
嘘です。笑いすぎてお腹が痛い…。



●Bさん
中野友加里も、今期のショートの曲、「Memoirs of a Geisha from SAYURI」なんて使わずに、
こっち使えばいいのに!そしたら一生ついていきます!

●アタシ
なんですって!?
ああ、なんというSAYURI違い!
そんなSAYURIなど認めるわけにはまいりません!
そのような体たらくでは中野、この無名の
サマンサ・ガルデラスにさえ負けてしまいますわ!


●Cさん
このアレンジャーは間違いなく変奏曲化の大家であった
ヘンデルの領域に達してらっしゃいますね。
私は途中からこの女性がキリストに見えてきました。
トンネルも船も使わずあの海上を滑っていくなんて
神の子にしかできない「芸当」なのでしょう。

●アタシ
まあ! ヘンデル
あたくしはリストを連想してしまいました。
いえ、リストはピアノの大家なのですが……。
あたくしは初見のときからずっと、サマンサが
カモメに見えて仕方がありません。
白い衣装で片足を上げて滑っていく「スパイラル」は、
まさに翼を広げて海の上を滑るカモメのよう……。

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 こんなやりとりをした方たちの中のひとりが、現在、フィギュアスケートに対する並々ならぬ愛情が感じられるブログを運営し、フィギュアファンの間で大人気を博しているdawaさんです。dawaさんが、このサマンサ・ガルデラス(スペイン系だと思うので、それっぽく表記)の作品をyoutubeにアップしたところ、ヒット数がえらいことになってしまったのも、いまではあたくしのいい思い出になっております。

サマンサの作品はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=oJ-ZCTudYms

 チャン・ツィイーがいい女優であることは認めますが、日本人にとっては、「SAYURI」といえばこちらですわよね奥様。

 しかし、実を申しますとあたくし、これが最初の「劇的体験」ではありませんでした。94年に幕張で行われたフィギュアスケートの世界選手権にて、ある「笑撃」に出会って以来、サマンサの作品以上に捜し求めていた作品があったのですが、先日、ついに見つけました! もちろんdawaさんにもご報告、ふたりして大きな荷物を降ろしたかのような安堵に包まれております。アンスダンスのグルシナ&ゴンチャロフの名作です。

http://www.youtube.com/watch?v=yLX09oUWyyI

 男女が「表現」する『アイスダンス』という競技に、ここまで相応しい楽曲はそうそう見つかるものではありませんわ……。


 本当に、素敵なお友達がいて、あたくしは救われております。