フィギュアマニア歴35年/ロヒー奈を・もっと・知りたくて

 フィギュアスケートのシーズンが始まりました。グランプリシリーズの初戦、スケートアメリカは、入院中のベッドの上であたくしももちろん見ておりました。

 18歳という年齢を考えたら信じられないほどのマチュアな、宇野昌磨の表現力。パッションの中にそこはかとない色気まで入れることができるなんてすばらしい。これからがますます楽しみだわ。

 で、男子シングルの競技中、素晴らしいスケーターの演技を愛でるのと同じくらいの熱量で、あたくしと友人たちは、アメリカのジェイソン・ブラウン(ジェイソン、なんかますますかつての女子世界チャンピオンのキミー・マイズナーに似てきた)のコリオグラファー、キス&クライではジェイソンの右側(視聴者からは左側)に座るロヒーン・ワードに夢中でした。

 この鋭角なまゆ毛、「男らしさ」のアピールではなく「フェイスラインのデザイン」の意味しかないヒゲ、そして、男物を着ているはずなのに、ヘタなドラァグクイーンが裸足で逃げ出すほどの、濃厚な女装臭…。かつてのアメリカのスケーター、ルディ・ガリンドを思い起こさせる懐かしさです(もちろんガリンドもゲイ)。と言うか、こういった斬新すぎる女装臭を「懐かしい」と表現したほうがしっくりきてしまうあたりが、アメリカの奥深さというものです。

 アメリカのこういった奥深さを日本でメジャーにしたのは、言うまでもなくあの超人気選手ジョニー・ウィアーこと「ジョニ江」です。あたくしたちは、実際のセクシュアリティの如何に関わらず、こういったネエさん臭をマダムンムンと発散させる選手に女性名を与えることを普通にやっています(例・中田英寿=ヒデ美)が、ロヒーンのことも当然のように「ロヒー奈」と呼んでおります。ええ、「Ivan(イワン/イヴァン)男性名)、Ivana(イワナ/イヴァーナ)女性名)」みたいな感じです。賭けてもいいですが、ロヒー奈はプライベートの友人知人には自分のことを「Rohena」と呼ばせているはず。ジェイソン・ブラウンの活躍と比例するように、ロヒー奈の「キス&クライはアタシのランウェイよ!」姿も拝める…今後が異常に楽しみです。

 さて、みなさんにはそんなロヒー奈の艶姿をもっと知っていただきたく、こちらをご紹介…。ジョニ江が決して「マッチョな世界に突然変異で生まれた異形」ではなく、「連綿と続く伝統が生んだ、ある種の完成形」であることをご理解いただけると思います。アメリカのこういうとこ、好きよ…。

 さて、今度出る書籍の書下ろし原稿に取り掛かりましょうかね…。来年1月28日発売予定です。どうぞよろしくお願いいたします…。