ケーキを食べればいいじゃない

 集英社から昨日発売された『小説すばる』という文芸誌で、連載が始まりました。『小説すばる』の編集者の方からご連絡をいただいたのは、今年の2月の頭だったかと思います。1月に発売されたエッセイ『恋愛がらみ。 不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』(小学館)をお読みくださって、『小説すばる』のリレー式のエッセイ「思い出ステーション」執筆のご依頼をいただいたわけです。

 読者の方々に笑っていただきたい原稿であれ、どうにもしんみりしてしまうような原稿であれ、いままでに載せていただいたすべての媒体、すべての原稿で、私なりに努力をしてきたつもりではありますが、文芸誌からご依頼をいただくことは想定のはるか彼方にあったことで、メールをいただいたときに本当に驚いたことを覚えています。で、4月号の「思い出ステーション」で鶴瀬駅のことを書き、しばらく経ってから、小説すばるさんから今度は連載のご依頼があったのです。

 連載のテーマは、ケーキ。私の人生を、本当に多くの場面で彩ってくれたケーキたちです。「高山真」としてのキャリアのスタートは、ラブピースクラブさん。「ノンケのオトコの子ちゃんの落としかた」を、自分の生活やものの考え方にからめて書き始めたのが15年ほど前でした。今回のテーマである「ケーキ」でも、そういったことができればと思っています。美味しく食せるものを、いろんな角度から見てみる…。ほんとあたくしったら、15年間変わっていませんことね。うふふ。

 最愛のケーキをご紹介しつつ、自分の来し方も振り返ることができるようなもの、そして、読んでくださる方々それぞれに何かを感じていただけるようなものにしたいと思っています。第1回目の原稿では、それができているでしょうかしら…。

 何かの機会にご一読くださるのなら、本当に嬉しいです。そして、わがままを申しますが、もし何かを感じていただけたのであれば、『小説すばる』さんを通じてご感想やご指導をいただけたら、さらに幸せです。