パコ・ラバンヌ(のセンス)、中国進出

 ファッションは香水で決まります。嗅覚からもたらされる心身の落ち着きは、洋服以上に、自分自身にチャージを与えてくれるものです。

 19歳から香水をつけているあたくしですが、19歳から25歳くらいまでつけていたのが、パコ・ラバンヌのテネレでした。カシスのようなブラックベリーのような甘いトップノートに、ラストでまつわるムスクがど真ん中で好みだったわ。で、テネレが廃盤になってしまい、その後はサンローランのオピウム。30を迎えようかという年齢には、ややオリエンタル寄りのトップは大人すぎるかも…と思ったけれど、「使い続けるうちにこなれていくはず」との確信をもっていたら、予想以上に早く自分自身になじんでくれたのは嬉しい誤算だった。ただ、そのこれも現在は廃盤になってしまったので、ストックが切れてしまったら、また新しいものを探さなくてはいけないのでしょう。

 久しぶりにパコ・ラバンヌあたりをチェックしてみようかしら…と思っていたところに、お友達から耳よりな情報が寄せられました。まずはこれをご覧ください。(ツイッターをやっていなくても、ツイッターで見られるのね。初めて知りました)
https://twitter.com/livein_china/status/480709531354152960/photo/1

 これは中国の路面店の「竹マット売り場」(納涼グッズらしい)のマネキン人形とか。誰がどう見ても、パコ・ラバンヌのメタルドレスです。素晴らしい…。
http://www.resurrectionvintage.com/blog/wp-content/uploads/2008/10/christies0081.jpg


 あまりの素晴らしさに、もう少しチェックしてみたら、中国人ったら、こんなものまで作ってました。青果売り場のマネキンに着せられているのは、果物を保護するネットで作ったドレスです。
https://twitter.com/livein_china/status/480664975921262593/photo/1

 こちらはコムデギャルソンの1996年のネオンカラーコレクションに、同じくコムデギャルソンの1989年のコレクションのリボンタイをくっつけたものでしょう(ナオミ・キャンベルの首に巻かれている黄色いリボンタイは、単品ですので、どうとでも組み合わせ可能です)。
http://37.media.tumblr.com/214332cbad3787040ad14f0c9bc2723c/tumblr_n0wk7e2ZrT1qzx3igo2_500.jpg
http://media-cache-ak0.pinimg.com/736x/b6/46/10/b64610e60fe5d4fa282683db7527c912.jpg

プラダを着た悪魔』で、メリル・ストリープ演じる鬼編集長が、主人公に「私たちが決めたファッションが、回りまわってアンタが着る洋服の流行を決めてるのよ」的なことを立て板に水とばかりに語り掛ける名シーンがありますが、その実例をこうして見られることは、あたくしにとっても喜びです。空気汚染の問題はあるけれど、17年ぶりに行ってみようかしら、中国……。