FUNKY TOWN

 安室奈美恵の歌に『FUNKY TOWN』という曲がありますが、東京で最もファンキーな街は今日から上野に決定です。知り合いとの用事を済ませた後、上野のサンクスに入って炭酸水(ノンシュガー)を買っているときに事件が起こりました。紫がかった「どピンク」のTシャツを着た見た目60代のおじいちゃんが、あたくしの横でドリンクを選び始めました。目の端に映るおじいちゃんのボトムは、この夏の陽気を考えてもあまりにもチャレンジングなミニマム丈。ヒザ上25センチは余裕です。しかも、どうやらトップスと同じ色。ええ、全身どピンクです。

 ここらのスポーツショップでは、いちばん目立つ色のジョギング用ウェアを60代のおじいちゃんにもオススメするのかしら。まあ、お年寄りが綺麗な色を着て心を浮き立たせるのはいいことよね――そんなことを思いながらおじいちゃんの横を離れ、売り場を回るあたくし。しばらくすると、そのおじいちゃんと真正面からすれ違うことになりました。

…………おじいちゃんが穿いていたのは、ジョギングパンツではなく、ボクサーブリーフでした…………。ええ、マドンナやガガの向こうを張る下着ファッションを、あたくし上野で目撃してしまったのです……。

 面と向かって我が目をむくのもはばかられ、なんとか無表情ですれ違うことができましたが、驚くのは店の中の人たちが誰一人としておじいちゃんに好奇の目を向けていない、ということ。このお店のお得意様なのでしょうか。いや、仮にお得意様だとしても、こんなファンキーな下着ファッションを「当然のこと」として受け止めている店員やほかのお客様方に脱帽するしかありません……。上野、すごい街……。