ワガママを通してワガママを押さえ込む

「気が遠くなるほどムダ肉がついてしまったあたくしの体」を「わがままボディ」と言い換えさせ、ついには「デブ」の意味すら変えてしまう……。そんなプロジェクトに乗り出して早3ヶ月。周りの友人たちの間ではずいぶん浸透してきたような気がするわ。ただ、以前にもみなさんにお話ししたように、大枚はたいて買ったドルガバやニール・バレットのジャケットがひとつ残らずボレロになってしまっている現状は、なんだかんだ言ってもファッションヴィクティムから降りたくないアタシには少々問題だったりするの。

 美味しいものはカロリーが高い。ダイエットを1度でも考えたことがある人なら、全員が知っていることでしょう。かく言うあたくしも20代の頃からそんな命題と常に背中合わせ。なかなか『低カロリー食』に切り替えるのが難しいわ。なので、数年に1度、「炭水化物だけはカットする」という食生活を2ヶ月ほど自分に課しているのだけれど、ようやく重すぎる腰を上げる気になりました。というわけで、外食時のあたくしの「わがままオーダー」、ダイエットをお考えの方に参考になれば嬉しいわ。

●焼肉●
(ボディがわがまま時)
カルビを焼いて、海苔のようにご飯を包み、半永久的にいただく。胃腸のわがまま具合によっては石焼ビビンバもその後にいっちゃう勢い。
(オーダーがわがまま時)
カルビよりロース中心。サイドメニューのキムチやサラダ、ナムルや野菜スープなどもしっかりいただく。もちろんライスは食べない。

●イタリアンorフレンチ●
(ボディがわがまま時)
前菜のソースすらパンで綺麗にすくい、パスタは2種類オーダー、メイン終了時にはバケットやフォカッチャが7〜8切れは消費されている。
(オーダーがわがまま時)
パンを食べない代わり、お店の人に「行儀悪くてごめんなさいね」と断って、指でソースをぬぐったり、ソースを味わうためのスプーンを持ってきてもらう。パスタやリゾットは断腸の思い(この表現、決して大げさではありません)で外す。デザートもなし。

 昨日はあたくしのたまり場のひとつ、四谷と市谷の間にあるレストラン『スティモーロ』に、10年以上ぶりに会う友人を呼んで長居をしたわ。ここはイタリアンなんだけど、リエットがとんでもなく美味しいの。あたくしはいつも「フォカッチャ・薄くスライスしてサクッとあぶったバケット・ふわふわのパン」の3種類(合計で10切れほど)を持ってきてもらい、パスタまでの間にそれをほぼ食べつくす、という荒業を敢行しているのだけれど、昨夜は、10種類ほどのグリル野菜にリエットを載せて楽しんでいたわ。その間、友人は2種類パスタと1種類のリゾットの盛り合わせを、「ヤバい。超うまい」とガッツリ食べていて、それはそれで大いに心をつかまれる光景だったのだけれど(ガッツリ食べるオトコに色気を感じる…といったつかまれ方ではなく、本当に美味しそうなパスタを前にしてもそれを食べられない…といったつかまれ方ね)。

 焼肉は、たいていどんなお店でもオーダーのわがままがきくけれど、イタリアンなどでそれを通すのって難しい。こういうお店があるのは本当にありがたいわね。このお店、あたくしと同じように低炭水化物ダイエットに取り組んでいる人もウェルカムだそうだから、もし「美味しいものは食べたいけれど、やせたい」という人がいらしたら、行きつけ候補に入れてみてはいかがかしら。もしそのお店で、パンもパスタも食べない代わりに、他のメニューをとんでもない量で食べているゲイを見たら、「ああ、高山がまたわがままになっている……」と、心の中でほくそ笑んでちょうだい。うふふ。