砂漠のような東京で

 最近、共通の友人を介して知り合った方が、新宿二丁目でお店をやっているとのことで、ひょっこりお邪魔してみたら、カウンターの中から「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた店子(二丁目の飲み屋では、ママの下で働いているボーイさんのことを「店子/みせこ」と呼ぶ文化があります)の顔にものすごく見覚えが……。もう数年はご無沙汰していたノンケの知人でした。ノンケが二丁目の飲み屋で働くことも実はそれほど珍しいことではないものの、数百の飲み屋が並ぶ二丁目の一軒でバッタリ会うのも大変な偶然だし、加えて、その方は二丁目とは縁遠いタイプだと思っていたので、まあ驚いたこと驚いたこと。でも、思いがけない久しぶりの交流も楽しいものだったわ。

 数日前には、別の友人から、「喫茶店で女友達と『ラブピースクラブ』ってサイトのコラムが面白い、って話をしていたら、横の席のお客さんから声をかけられたんだけど、北原みのりさんだった! 名刺いただいちゃった」と電話があったわ。素敵な出会いって、けっこう自分の近くにあるものなのかもしれないわね。