商いの鬼/鬼の商い

 自分自身は「オタク」などとはとても自称できない程度のマンガの知識しかないのだけれど、友人知人にはかなりの筋金入りが何人もいるあたくし。中にはそれが昂じて、同好の士のためにグッズなどを製造・販売している人もいるの。その子の商いの基本は「子どものころ、買えないものがたくさんあって悔しかった。だから自分は、『なるべく買いやすい値段にすること』をいちばんのポイントにしている」というもの。その基本を守りつつ、薄利多売でちゃんと会社に黒字を出しているあたり、素晴らしいわ。言うなれば「商いの鬼」ってとこかしら。

 さて、ここ数日であたくしがもっとも驚いた「商いのニュース」といえば、これ。
パソコン用
http://natalie.mu/comic/news/51672

携帯用
http://m.natalie.mu/comic/news/show/id/51672


 エヴァンゲリオンのスパークリングワイン(シャンパンではないことにご着目願います)。中身がどこのものとも知れないスパークリングワイン。それが1本5万円!! 5万ってアナタ、あたくしが好きなシャンパンの両横綱、クリュグとクリスタルが1本ずつ買えてしまうお値段……。繰り返して言うけれど、中身は、どこのものとも知らされていないスパークリングワイン……。鬼よ、鬼がここにいる!!

「オタクは好きなものにお金をつぎ込むから、経済を支える大きな柱になりうる」とは、もう10年くらい前から言われていることだし、実際「オタクパワー」は何度もこの目やニュースで目撃している。それにあたくしも人からたいがい「なんでこのTシャツが3万近くするわけ?」と言われてきたお洋服オタクだから、あまり偉そうなことが言えるわけではない。でも、これはないわさすがに。オタクの人たち、怒ってもいいと思うわ、「ナメんな」って。

 ある友人から借りたエヴァンゲリオン豪華DVDセットを返却したばかりというのもあって、このニュースには瞠目せざるをえませんでした。

「ぼっちゃダメだ、ぼっちゃダメだ、ぼっちゃダメだ……(エンドレス)」
「こんなとき、どんなぼり方をすればいいかわからないの」「円をユーロに変えればいいと思うよ」

 と、部外者はネタにするだけでこの商品には手を出しませんが、いやあ、「商いの世界は鬼の住処」とはよく言ったもんですわ。