得るものあれば失うものも

 ここ数ヶ月、ちょっとした用事で、長距離の移動が多くなっているのですが、新幹線に比べて半分以下の値段ですむ高速バスのありがたさを実感しております。時間は少々かかってしまいますが、それでも、本などを読んでいれば5時間や6時間などはすぐに過ぎてしまうもの。この年齢で初めて知った交通手段を新鮮な気持ちで楽しんでいる感じでございます。

 が、ひとつだけ、高速バスの難点を申し上げるなら、バスによってはトイレがついていないこと、でしょうか……。まあ、だいたい2時間ごとにサービスエリアなどで休憩に入りますから、いまのところ壊滅的な被害をこうむったことはないのですが、もともとおトイレが近いあたくしは、読んでいる本のサスペンス具合を軽く凌駕するスリリングな気持ちを味わうこともございます。あくまで時々、ですが。

 年齢を重ねれば重ねるほど、様々なことに我慢が効かなくなってしまうのは、生き物としては仕方がないこと。それは華やかな世界でお仕事をなさっている方々にとっても例外ではないでしょう。しかしながら、若い頃からババア売りだった樹木希林先生などはともかく、若い頃、やりたい放題に「いい女(笑)」売りをしてきた方は、そんな自分の変化をどう受け入れるのか。興味は尽きません。

●「井森美幸に次ぐ2位」というデビューのきっかけ(於・ホリプロスカウトキャラバン)を、まるでなかったことのようにしたうえでトップに立ったその順路が、プロレスラーのギミック変更を思わせた鈴木保奈美さん、
●「ヒモのようなビキニ姿からSHIPSへ、何食っても『わやうま〜』ですませる」ラフ殺法がお得意だった浅野ゆう子さん、
●「顔をクッシャクシャにして『ブイブイ』って言っとけばなんだってOK」の、長州力ラリアット並みにお約束感たっぷりのフィニッシュホールドをお持ちだった浅野温子さん(髪の毛はバッサバサ)

 ……まさに百花繚乱です。芸能界には「いい女(笑)」がたくさんいらっしゃいました。現在なら真矢みきさんあたりがその筆頭格になりますでしょうか。

 さて、そんな「いい女(笑)」を語る上で忘れてはならない90年代のミューズといえば、RIKACO村上里佳子)さんをおいて他にはございません。先にあげた「いい女(笑)」たちより、「(笑)」度合いでいったらはるかに上を行く破壊力をお持ちだったRIKACOさん、推定7人のあたくしの読者の皆さんも、全盛期のRIKACOさんにイラッとさせられた経験は一度や二度ではないことと思います。

 そんなRIKACOさんに関する情報が、さるお友達とお話しているときに寄せられました。寡聞にして存じなかったのですが、RIKACOさん、自分の変化にこのような形で立ち向かっていらっしゃったのね……。

(パソコン推奨)
http://www.unicharm.co.jp/charmnap/tvcm/

 RIKACOさん、すでに「私にもある」そうです。素晴らしい……。

 人は誰でも現役のステージから「下りる」日がやってきます。が、RIKACOさんがこのようなカミングアウトとともに「下りる」ことになるとは、世に数多いる「いい女(笑)」研究の第一人者を自任するオカマたちにも予想はつかなかったのでは……。

 一説によると、尿漏れケア用品のCM契約料は、ほかのCMに比べて非常に高い契約金額が設定されるいるとか。タレントはつまるところイメージ業ですから、まあ納得できる説ですね。RICAKOさんは、これで「現役のいい女(笑)」から「お金を手に下りた女」になったのです……。

 ま、かくいうあたくしもそろそろ「漏れ」の心配をしなくてはいけないのですけれどね……。