体型もお金で磨かれるか

「今年の夏はドルガバの水着を着て、パークハイアットのプールサイドで小麦色のマーメイドになる」

 数ヶ月前、アタシはいったい何のつもりであんな世迷言を口走ったのでしょうか……。

 友人知人すべてから、意志薄弱を正当化しているとしか思われていない(そして実際その通りの)アタシなのですが、まったく返す言葉が見つからないほどの惨状を生きております。もうね、危惧してた通りよ。小麦色のマーメイドどころか、シャレでもなんでもなくジュゴン(懐かしのコミック系ニューハーフ)まっしぐら。右肩上がりというよりは倍々ゲームで増えていく体脂肪が年齢以上の貫禄をアタシに与え、ちょっとした見世物の様相を呈しているわ。しかも昨日は昨日で、友人のお気に入り、新宿3丁目のオステリア・ウーゴにお付き合いし、「白海老カラスミのスパゲティ」を含む2種類のパスタを瞬時に食らい、魚も肉もガッツリ行き、合間に消費したパンはゆうに7つ……という益荒男ぶり。ウーゴに入っている子たちの「お客を楽しませたい」という意気込みにいいように乗せられてしまったわ。美味しかったし楽しかったけれど、ある意味じゃアタシの完敗ね……。アタシったら本当に何してるんでしょう。

 これは、ひとつ、プロ中のプロの手を借りなくてはいけないかしら。友人の小倉義人くんはアタシの知る限り日本一のボディコントローラー。還暦を過ぎた女優の藤田弓子を劇的に、かつ健康的に痩せさせたことで一気にその名が轟いた子なんだけど、実は若い女性タレントやモデルちゃんたちからの信頼も厚いオトコの子よ。ま、アタシは年齢的にも体型的にも、娘っ子のようなモデルちゃんたちより藤田弓子さんの位置に近いので、「中高年からのダイエットは危険で困難」という常識を打ち破った小倉くんの手腕にすがってみようか、と。いいの、使えるものは何だって使うのよ。ちょうどいいタイミングで、小倉くんが恵比寿にサロンをオープンしたしね。HPはこちら。

http://www.bcf.jp/

 この1〜2ヶ月の間に、ドルガバのサイズ44のジーンズをはちきれんばかりにしてこのサロンに出入りする「四十路前の、見かけはオトコ」を見かけたら、95%くらいの確率でそれが高山です。目が三角につりあがり、何かに取り憑かれたような真剣さを漂わせていたら、その確率は一気に200%に跳ね上がるわ! うふふ。

 アタシは、「友人のやることであれば何でもかんでも協力する」とはとても言えないオンナだけれど、友人の仕事が素晴らしければ、以前森恒二の『ホーリーランド』をこの日記で紹介したように、その素晴らしさを言及せずにはいられないオンナでもあります。

 アタシ個人は、オンナ友達を選ぶ基準に「見かけ」というものが入りません。オンナたちを見るアタシの視線の中には「性欲」というものが存在しないから。でも、アタシ自身もダイエットを繰り返す身として、「好きな洋服を着たとき“似合うね”と言われたい」という気持ちは理解できるし、過去に何度もオトコの子ちゃんたちと恋愛ゲームに興じてきた身として、「狙ったオトコにビジュアルでもポジティブなインパクトを与えたい」という気持ちも、ものすごく理解できます。その思いが昂じて、無茶なダイエットで摂食障害になるオンナの子ちゃんたちの悲劇も知っています。だから、いざというときにプロの手とフォローと冷静な目線(アタシはこれが一番大事だと思う。ダイエット時に真っ先に失われるのが「客観性」だと思うから)を借りてもいいんじゃないかと思うのよ。