あたしもうぢき駄目になる(yapoos)

パークハイアットのプールで90歳(自己認識年齢)のババアが小麦色のマーメイドを気取る」という壮大な野望を胸に秘め、ボディメイクに乗り出したはいいものの、それを聞きつけた友人知人から嵐のような食事の誘いが来るのは一体どうしたものでしょう。この数日間、記憶にあるだけでも、以下のようなデカダンに見も心も翻弄されてしまいました……。「おごるから」の一言に異様に弱い貧乏性を何とかしないと、全てが元の木阿弥だと判ってるはずなのに……。

●飯倉の雅山で久し振りに塩すき焼き。前菜代わりに必ず頼む牛肉のカルパッチョもやはり素晴らしい。牛肉の脂身がどうして口の中で溶ける不思議さに毎回悶絶。お付き合いで1杯赤ワインを楽しんでいたら、お店の支配人にも驚かれたり。
●イデミ・スギノにほぼ1年ぶりにタルトレット・オ・キャラメルが登場。セミドライのフルーツの酸味とねっちり感、ナッツの香ばしさとコリコリ感、キャラメルの苦味&甘みとトロリ感。味わいと食感の怒涛のようなミクスチャー。毎回悶絶。いつも必ずいただくバタークリームのケーキは、季節によってフレーバーが変わる。ここ数ヶ月はコーヒーを使ったマジェスティック。クリームとビスキュイ、ジュレを8層に重ねた恐ろしく手の込んだ作品。きちんとナイフで切って8層を1度に口に入れると、油と粉と水(クリームとビスキュイとジュレ)がまったく同じスピードで口の中で溶けていくという、ありえない体験ができる。やっぱり毎回悶絶。
●ご無沙汰をしていた日本橋のフェア・ドマへ。バジリコのペーストをたっぷり使ったトレネッテにやっぱり悶絶。お昼からフォアグラのソテーをいただくという狼藉。プルーンのソースがピンポイントでアタシ好み。脂の強いお肉に果物の甘いソースって合うのよね。デザートの白トリュフのジェラートに倒れそうになる。美味しい……。
●お友達のお気に入り、新宿のオステリア・ウーゴへ。スカンピのパン粉焼きと牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、白トリュフのリゾットに野菜とアンチョビのパスタ。いやだ、アタシの好きなものばかり……。調子に乗って食前酒と白ワイン2杯、赤ワイン1杯までいただいてホワホワになる。かてて加えて、デザートまで2種類平らげるという暴挙に。最近、新宿2丁目近くに美味しいイタリアンができたのは喜ばしいわ。ラストオーダーが遅いのも分かってる感じ。クイーンズシェフの向かいにあるブリッコラも美味しいのよね……。
●お久し振りのカーザ・ヴィニタリア。ここも友人のお気に入り。自分でもガシガシ行きたいのだけれど、予約がなかなか取れなくて。ここのお野菜は本当にもう……。バーニャカウダと季節野菜の組み合わせはいつも身が震えるような幸せを運んでくれるの。蟹のリゾピラフ(リゾットとピラフの中間、という意味の造語だと思う)も絶品。

 ほんの数日間にここまでのデカダンを享受しながら「でも天ぷらの深町へのお誘いは断ったもん」と言い張って自分までだます駄目っぷり。先ほど体重計に乗ってみたら、機械の故障のほうを疑いたくなるような数字が……。どうしよう、ちゃんとダルマの国に通わなきゃ……。