友情(not実篤)

「男と女の間に、友情ってあると思いますか?」

 昨日、こんなことをあるオンナの子ちゃんに質問されたの。まあなんてクラシック! まさか20代のオンナの子ちゃんに、明石家さんま島田紳助あたりが待ってましたとばかりにしたり顔して講釈垂れるような種類の質問をされるとは思わなかったわ!

 なんでも、そのオンナの子ちゃんは、「兄のように慕える、なんでも相談できる人」と思っていたオトコから、予想もしなかった恋心を告白されてしまって、戸惑いながらも「○○さんは兄のようで、なんでも相談できる人だった。ずっと、ものすごく得がたい友達だと思っていたから……」と答えたそうよ。そうしたら、「男と女の間に、友情なんてありえないと思う」とそのオトコに返されて、途方に暮れてしまったんですって。まあねぇ、かなりのルックス偏差値を持ちながら、「あなたはお兄さんみたいな人」というキャバ嬢の後引きテクなみの手練手管を、100%天然で言えてしまうそのオンナの子ちゃんも、イヤミでもなんでもなく大した試合巧者だと思うけれど、その子は別にその種の試合をしたいわけではまったくない、ってのがお気の毒だわ。恋愛よりも友情を重視したいのに、ルックスが可愛く生まれついてしまったオンナの子ちゃんにも、災難は訪れるのよね。

 ちなみにアタシは、ゲイ(あるいはバイ)の恋人はいままでで片手でおさまるほどで、お転婆を繰り広げたノンケのオトコの子ちゃんは20人ほど。それに比べたら、ゲイの友人やノンケ男子の友人のほうがはるかに多いわね。オンナたちはアタシにとってセックスの対象にはなりえないのだけれど、もちろんオンナ友達はたくさんいるし。って、「アンタは恋愛よりも友情を重視したくて、かつブサイク寄りなルックスに生まれつき、強欲で慇懃無礼な性格になっていった幸運があるだろう」というご指摘は、紙1枚入る隙間もないほど厳密な正解なのだけれど。うふふふふ。

 アタシにとって、性愛は「レジャー」であり「贅沢品」なのだけれど、友愛あるいは情愛は「必需品」。そして、普段の生活でどちらがより重要かといえば、即座に「友愛」「情愛」と答えるわ。だから、必然的にこういう結果が出てしまうのよ。ま、性愛から始まって情愛へと移行する恋もあったから、そういう場合は恋人としては別れた後も、時々会っては話をするような仲になったりね。

「男と女の間に友情はあるか」という問題に、唯一無二の答えなんて見出せるはずがないとアタシは思う。ただ、その問いに、例えば妻夫木聡くんがどう答えたかで、妻夫木くんが常日頃から「オンナ」というものにどんな思いを抱き、どんなイメージを投影し、どんな付き合いを望んでいるかは見出せる……。アタシはそんなふうに考えているわ。そんなアタシの答えに後輩ちゃんは納得してくれたようだけれど、みなさんのお考えはどうなのかしら。



PS
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